色 〜1 [写真 Photograph]
バリ島に出会ったのが23年前。
そこで暮らす人、島のもつ独特の気配を、自分なりに受け止めようとした。
等身大の器で、写真を文体とすればエッセイという表現で写真にしようとした。
カメラはローライを選ぶ。
その正方形のフォーマットは縦でもなく横でもないまるで円のようなおおらかさを持っている。
エッセイにはちょうどいい。
そしてフィルムをカラーからモノクロに変えた。
南国の華やかな色に隠れた意識が写りやすいから。
それが思いもよらず写真集「オラン・バリ」となり、いまでもそれが最も自分らしい写真であるとも思っている。
その後カラーネガからのプリントにと移っていく。
フィルムや印画紙を変えて様々な組み合わせや方法をさがす。
ネガフィルムの奥深い表現に絶えず感動しながらも、黒のにじみに、その黒の中のわずかな光の反射に表現できないもどかしさも感じていた。
最近になってデジタルという表現が世の中にでてきた。
昨年に購入したカメラに、その黒の中に、初めて光を表現できると感じた。
いまは色を撮っている。
あの時、バリで隠してしまった色。
いまはその色を求めている。
しかし、感覚としては墨絵の世界。
世の中としては矛盾の表現となるが、自分のなかではとてもマジメ。
モノクロもまた撮っているが、これは心の中の平衡感覚をとることがひとつの理由。
そしてもうひとつは、、、
それはまた後日。
2013-06-19 08:49