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葉山とバリと王様と私     [バリ Bali]

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逗子駅から森戸海岸を抜け、御用邸のある葉山一色海岸まで歩く。
げんべいでこの夏のビーサンを買い、一色に住む友人に電話をする。

友人夫妻とは20年前に最初に行ったバリで知り合い、その後バリでも日本でも感謝しきれないほどお世話になっている。
2人が葉山に移住したとき、僕もこの地が気に入り不動産屋を何度も訪れた。
しかしそのときは気に入った物件、予算などがあわずに断念。
昨日は海の家のオープンする日でもあり、夕暮れに3人でビールを飲むことにした。

このあたりは江ノ島近辺と違い、こじんまりとした海岸に近所の人達が集まる。
いい意味で「オレたちの浜」という大切な空間。
松林が熱い日差しを遮り、ゆるい時間が流れている。
波の音を聞いていると20年前に一緒にバリの西部にジェゴグを探しに行ったことを思い出した。
あの時代はバリの道路は道の端まで舗装されていないところも多く、タイヤの内側が摩耗してバーストすることもあった。
州都デンパサールから西部ギリマヌクに続く街道はジャワから行き来するトラックが多く、運転の荒い大型車と抜きつ抜かれつする。
トラックから出る真っ黒な排気ガスの中をクルマのギアをおとし、思い切り加速して、対向車のいない瞬間に一気に抜き去る。
小型車ジムニーで3時間以上もそんな運転を続ける。
後部座席に座る僕はそのたびに天井や壁に頭をぶつける。
イケイケの時代。僕はまだ20代だった。
そして怖いものをまだ知らない時代でもあった。

この日の夜はガムランの練習帰りの仲間達と合流して酒を飲んだ。
7時間も演奏し続けた友人もいた。
満足気に話すその姿にみな「バカ」が付くくらいにガムランが好きなのだと微笑んでしまう。
みんなには耳の状態を聞かれた。
ブログではもう耳のことは書かないつもりでいたが、あまりにもたくさんの友人が心配していてくれるので現状を報告。
持病を持っている人は梅雨の時期には痛みがぶり返す。耳も一緒。
先週は麻雀の達人を撮影したのだが、その時の麻雀牌を打つ音ですら翌日まで痛みが引かなかった。
いつまでとはわからないがガムランは一時中断。
「来週こそ、来月には復帰できるかも」と考えていると結果が伴わないとよりストレスが貯まることもわかったので時期は考えないようにした。
その代わりというわけではないが、バリの友人が踊りを教えてくれるというので男踊りを習うことにした。
目標は高くトペン・ダラム。

先日のブログでも書いたように王様の仮面を付けた踊りは、威厳と慈愛に満ち溢れ、気品高きもの。
バリではシジャさんという達人が踊るのを観たときは、これは踊りではなく気配を動かすものだのだと思った。
若い人のものではなく、踊りのテクニックはもちろんだけれど、その人の人生が仮面の中から滲みでてくるものだと感じた。いまでもあの空間を思い出すたびに鳥肌が立ってくる。

夢の中でダラム(王)の面を付けた自分が踊ろうとしたときに、これはメッセージかなと思った。
それは単に踊りを始めるということではなく、王のようにぶれない自分、人間の尊厳を大切にする心、勇気、さまざまなものを取り戻すことをしなさいというメッセージ。

ある精神科医が「病気になる人は強い人です」言っていた。
その人の中に強い力が宿るからこそ病気という現象を使って脳にメッセージを送る。
だからこそそのメッセージを大切にしなければいけないと話していた。

耳の病気にははっきりとした原因も治療法もないという。
それ故にいまの時間と、心を大切にしたいと思う。


以上、耳よりな話でした。。



コメント(2) 

コメント 2

fuu

ぷぷw

笑いやしあわせに変えれるひとに 
お空からいろんなものが降ってくるのかもしれませんねっ^^*

またビール飲みましょね~♪
by fuu (2010-07-12 02:06) 

kohara

fuuさん

笑われてナンボの人生です(笑)
by kohara (2010-07-12 08:48) 

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