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旋律   [写真 Photograph]

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一昨日に健康診断に行った。
午後からは歩きながら写真を撮る。
どこかで腰をひねったのか体調が悪くなっていく。

昨日の朝も腰を中心に不調。
すぐに治療に行こうかと思ったが、逆に身体に負荷をかけてみることにした。
予定していたパソコンでの作業は急ぎではなく、デスクワークはしんどいのでクルマに乗って撮影に行く。
乗り降りも辛かったけど、徐々に歩けるようになる。
とにかく身体の力を抜いて、いつもよりカメラをゆったりと構える。
左手でそっとカメラを持ち、右手はシャッターに触れるだけ。
指の先でかすかにそれを押す。
かるく持つだけのカメラから聞こえてくるシャッター音が、いつもと違い軽やかで伸びがある。
長年使っていても気がつかなかった美しい音。
こんなカメラの構え方もあるんだ、そしてそこから生まれる写真があるのだと発見する。

この日、試してみたいことがあった。
シャッターを押すタイミングを増やしてみよう。
カメラマンは誰もが自分の間、タイミングというものを持っている。
それが個性であり、作品となる。
そのタイミングをいつもの瞬間の前後に少しずつ移動してみようと思った。
それはどちらかというと、時間的というより心の瞬間になるかもしれない。
そしてこれは、元気なときより、体調がよくないときのほうが自然に実行できそうだった。

写真はリズムが大切。
でも最近考えていたことは、旋律も必要。
ガムランを始めて気がついたことは心拍と同じリズムで撮るシャッターチャンスはまず基本。
その裏拍で撮るものは侘び寂びに通じることもある。
それを繋げるにはメロディーが必要。
僕にはメロディーが足りなかった。
シャッターのタイミングを増やすことはメロディーにも通じることではないかと考えた。

自分にとってこの一年間にはいろいろなことがあった。
辛いことのほうが圧倒的に多かった。
しかしそれを繋げると、幸か不幸かこれもまたひとつの美しい旋律になる。
文学でもあり、哲学でもあり、旋律でもある。

今日は身体のケアーをすることにしよう。
余談だが、疲労困憊で帰宅してシャワーを浴びる。
ようやく落ち着いて簡単な夕食を準備する。
ネギを切りながら感じたのだが、包丁を持つ手の力が抜けていた。
今までで一番上手に、そして美味しく野菜が切れた。
とにかくつかれた一日だった。




※ シルエットだけならまだ20代で通用しそう(かな?)


コメント(3) 

コメント 3

メガネ君

シャッターを押すタイミングはプロの方でも意識しているんですね。
プロの方の写真を拝見するとすごい素敵な写真が多く、一撃必殺的に
シーンを見極めて撮っていると、錯覚していました。
僕らはきっとプロの方から比べると1回の撮影に対して、シャッターを
押す回数がすごい少ないんでしょうね。
できるかわかりませんが、僕もシャッターを押すタイミングを意識してみます。
(^-^)

お身体無理しないでくださいね。
by メガネ君 (2010-07-17 17:58) 

kohara

メガネ君さん

いつもありがとうございます。
一撃必殺はみな同じです。
その人なりに見極めていることも事実です。
ただ一撃のしかたはみな違うのだと思います。
人それぞれですが、シャッターを押す回数はメガネ君さんが思っている以上にはるかに少ないかもしれません。
反対に圧倒的に多い人もいるかもしれません。
ただその一撃のために24時間写真と、時代を考えていることは事実です。
写真が持つ継続性はこんなことから生まれてくると思っています。

今回僕が書いたのはあくまでも写真のトレーニングのことで、野球でいうならキャンプ中のバッティング練習のようなものです。
まぎらわしくてすみません。
イチローが日々バッティングを進歩しようと新しい練習を考えていますよね。
例えは大きくなりましたが僕なりの練習のことを書いたつもりだったのです。
写真は考えたら撮れないというのが僕の持論です。
そして考えない練習を絶えずしていきたいというのが日々のトレーニングだと思っています。
まぎらわしくれすみません。
by kohara (2010-07-17 19:16) 

kohara

あ、もうひとつ。

人によってですが、意識し過ぎてシャッターを押すと逆に写真に面白みが消えて、ボロボロになってくることもあります。
それよりはいまは無意識を大切にしてください。
考えることは出来上がった写真を見てからです。
いい写真撮ってますよね!

by kohara (2010-07-18 16:18) 

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