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満月   [バリ Bali]

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バリはエネルギーのとても強いところ。
満月の夜、それを試しに行くことになった。

ウブド発祥の地と言われるグヌン・ルバ寺院の近くに若いアーティスト達が集まり住んだエリアがある。
その大きな理由はエネルギーの強い場所だということ。
あるコテージでは小さな精霊が夜になると現れると言う。
20年近くも前のことになるが、ウブドで出会った日本人やバリ人と共に僕達はそのエネルギーを試しに行くことになった。
いまほど開発されてない田舎の村だったウブドは、夜になると犬がナイトマーケットの近くに集まり、満月の夜にはよく吠えた。
その傍らを避けるように歩き、小道を左折し、田んぼのあぜ道を突っ切り、月のよく見える場所に腰を降ろす。
田の水は輝き、バナナの葉が揺れる。
僕達は椰子の森の上を眺めている。

小一時間はいたのだろうか。
そろそろ帰ろうかなと思ったころ、僕達はその光景に驚いた。
満月輝く上空から、白い半透明のオーロラのようなものがゆっくりと大地に降りてくる。
みな顔を見合わせて「見えるよね、あれ」とお互いを確かめる。
いったいあれはなんだったのだろうか。
今度またバリで試してみよう。


芸術の神様であるサラスワティの日がある。
不思議探検隊の僕達はサラスワティが祀られている寺院へその夜に冒険に行くことにした。
芸術家はこの日、この神様に願いをするためにこの寺を訪れることがあるらしい。
寺院に入るために僕達はみな腰に布を巻きバリの正装に着替える。
僧侶階級の友人を囲みヒソヒソとバリの不思議話に花を咲かせる。
そんな話もつき、そろそろ帰ろうかとした時、白い影が見えた。
正装した男性と女性がゆっくりと寺院を横切り、祠の前に座る。
線香に火をつけ、祈りを捧げる。
バリで有名な舞踊家の夫婦だった。
僕達はもちろんその二人のことはよく知っている。
しかしこの日は声をかけなかった。
祈りが終わった頃、再び僕達は驚いた。
線香の火が膨張して見えた。
そして白いエネルギーもまた感じた。
みなで「あれ見える?」とささやき始める。
僧侶の友人がどこからか聖水を持ってきた。
彼にはわかっていたのだろう。
僕達は持ってきた線香に火をつけ、祈り、聖水をいただいた。


バリの不思議話はまだまだ限りなくあります。
今日はこの辺でおしまい。
しかし、僕は何をしにバリに通っていたのだろう(笑)




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