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王様病   [バリ Bali]

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10数年前、バリでバロン病にかかったことがある。
バロンはバリ島の聖獣でいて神様。
獅子の親分のようであり、バリの人達に愛されている。

ある村の祭りでトランスした人達で寺院内が騒然としたとき、気がつくとバロンの横にいた。
バロンからは甘い熱帯の花の香りがし、その横にいるだけで僕は幸せだった。

もともとバロンは好きだったけど翌日からはさらにバロンの追っかけが始まった。
オダラン(祭り)を探し、村の定期公演にも足繁く通い、帰国する日にはとうとうバロンのお面まで買ってしまった。

いまはダラム病にかかったようだ。
家の壁にかけたダラム(王様)の仮面を見ては「早く練習したいな」と思っている。
実際に踊りを習うとなれば日本でバリ舞踊を習い始めるには最高齢なのだろうか。
ガムランを本格的に習い始めたのが45歳だったし、いまは48歳。
まだまだ若いと思っているのだけど。

ダラムの面は意外と小さい。
顔からはみでてしまう。
小顔マッサージは必要なのだろうか??

ガムラン仲間に「コアラッチさんのガムランって、音が大きいだけですよね」と言われたことがあるが、今回は「コアラッチさんの踊りって、顔が大きいだけですよね」と笑われそうですこし怖い(笑)




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葉山とバリと王様と私     [バリ Bali]

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逗子駅から森戸海岸を抜け、御用邸のある葉山一色海岸まで歩く。
げんべいでこの夏のビーサンを買い、一色に住む友人に電話をする。

友人夫妻とは20年前に最初に行ったバリで知り合い、その後バリでも日本でも感謝しきれないほどお世話になっている。
2人が葉山に移住したとき、僕もこの地が気に入り不動産屋を何度も訪れた。
しかしそのときは気に入った物件、予算などがあわずに断念。
昨日は海の家のオープンする日でもあり、夕暮れに3人でビールを飲むことにした。

このあたりは江ノ島近辺と違い、こじんまりとした海岸に近所の人達が集まる。
いい意味で「オレたちの浜」という大切な空間。
松林が熱い日差しを遮り、ゆるい時間が流れている。
波の音を聞いていると20年前に一緒にバリの西部にジェゴグを探しに行ったことを思い出した。
あの時代はバリの道路は道の端まで舗装されていないところも多く、タイヤの内側が摩耗してバーストすることもあった。
州都デンパサールから西部ギリマヌクに続く街道はジャワから行き来するトラックが多く、運転の荒い大型車と抜きつ抜かれつする。
トラックから出る真っ黒な排気ガスの中をクルマのギアをおとし、思い切り加速して、対向車のいない瞬間に一気に抜き去る。
小型車ジムニーで3時間以上もそんな運転を続ける。
後部座席に座る僕はそのたびに天井や壁に頭をぶつける。
イケイケの時代。僕はまだ20代だった。
そして怖いものをまだ知らない時代でもあった。

この日の夜はガムランの練習帰りの仲間達と合流して酒を飲んだ。
7時間も演奏し続けた友人もいた。
満足気に話すその姿にみな「バカ」が付くくらいにガムランが好きなのだと微笑んでしまう。
みんなには耳の状態を聞かれた。
ブログではもう耳のことは書かないつもりでいたが、あまりにもたくさんの友人が心配していてくれるので現状を報告。
持病を持っている人は梅雨の時期には痛みがぶり返す。耳も一緒。
先週は麻雀の達人を撮影したのだが、その時の麻雀牌を打つ音ですら翌日まで痛みが引かなかった。
いつまでとはわからないがガムランは一時中断。
「来週こそ、来月には復帰できるかも」と考えていると結果が伴わないとよりストレスが貯まることもわかったので時期は考えないようにした。
その代わりというわけではないが、バリの友人が踊りを教えてくれるというので男踊りを習うことにした。
目標は高くトペン・ダラム。

先日のブログでも書いたように王様の仮面を付けた踊りは、威厳と慈愛に満ち溢れ、気品高きもの。
バリではシジャさんという達人が踊るのを観たときは、これは踊りではなく気配を動かすものだのだと思った。
若い人のものではなく、踊りのテクニックはもちろんだけれど、その人の人生が仮面の中から滲みでてくるものだと感じた。いまでもあの空間を思い出すたびに鳥肌が立ってくる。

夢の中でダラム(王)の面を付けた自分が踊ろうとしたときに、これはメッセージかなと思った。
それは単に踊りを始めるということではなく、王のようにぶれない自分、人間の尊厳を大切にする心、勇気、さまざまなものを取り戻すことをしなさいというメッセージ。

ある精神科医が「病気になる人は強い人です」言っていた。
その人の中に強い力が宿るからこそ病気という現象を使って脳にメッセージを送る。
だからこそそのメッセージを大切にしなければいけないと話していた。

耳の病気にははっきりとした原因も治療法もないという。
それ故にいまの時間と、心を大切にしたいと思う。


以上、耳よりな話でした。。



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王様とバリ    [バリ Bali]

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ダラム(王様)の仮面をつけて夢のなかで踊ったことがある。
上の写真がそのお面で、かなり以前にバリで出会った。
一目惚れしたのだけれど、王様を連れて帰っていいものかと迷う。
ガムラン界の巨匠M先生がちょうどその店に居合わせたこともあり、なんとなく迷う気持ちが薄れ、僕のもとへ、日本へと来ることになった。
近年はあまり目立たないところに飾っておいたのだけれど、夢に現れてからは一番目につく場所へと移動した。
バロンのお面と同様に、王様も笑う日とすましている日がある。




いよいよ日本でもバリ舞踊とガムランの熱い季節がはじまる。
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いまではこれを観ないと日本でバリを語れないイベントになった阿佐ヶ谷バリ舞踊祭。 http://asabali.exblog.jp/



8月15日は富岡八幡宮での深川バロン倶楽部の奉納演奏と舞踊。
8月21日と22日は江ノ島バリSUNSET。
まだまだイベントはたくさんある。




いつかは僕も王様の仮面をつけて...........
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音、また始まる     [バリ Bali]

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無事に演奏会は終了。

演奏に参加するかを決めたのは当日のリハーサルだった。
前日の夜までは100%出演することは考えてもいなかった。

耳はここ数日間で奇跡的な快復をしていたのだけど、左耳での電話はまだ痛いし、ヘッドホーンでの音楽もまだ聴けない。
違和感はまだまだ続く。
しかし、性能がよく、自分にあった耳栓と出会えたこともあり、可能性はまったくないわけではなかった。

演奏会の朝、4時に目が覚めた。
ガムランしたいという欲求がそれ以上眠ることを妨げた。
講座の仲間がブログにアップした練習映像を見ることにした。
パソコンで聴く音楽も15分を超えると耳に不調がでたので、1時間続けてこれを見ることはなかった。
ここ4ヶ月の間に練習には2度しかでることができなかった。
みんなの足を引っ張ることはできない。
みんなが待っていることも知っている。
映像を見ているといままで習ったこととあまり変化はなく、その場所もやり方も理解はできた。
家にあるガムランをそっとたたいてみる。

講座の先生には出欠の判断は当日の朝に決めましょうという温かい言葉をもらっていた。
引き出しからバリの衣装を取り出し、急いで演奏会場に行く。
祈るような気持ちで耳栓を付け、リハーサルを聴く。
鈍痛がでない。
2曲ならいける!
合間には会場の外で耳を休ませればいい。

ステージに昇ると楽しくてしかたがなかった。
ガムランができる。
いろいろな人が励まし、応援してくれたことを胸に秘めてパングル(演奏用のバチ)を握る。
ステージの上で、客席からも、友人達の視線を感じる。
音が鳴る。
戦士の踊りがいま始まった。





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え? な展開(その2)  [バリ Bali]

ひとつ前の(その1)から読んでください



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ステロイドという薬を飲むことになった。
突発性難聴の薬として渡されたのだが、薬に詳しくない僕には副作用の噂しか知らない。
イメージとしては飲みたくもないが、今は飲まなければいけない薬なのだろう。

いろいろな人にこの病気のことを教えてもらいとても感謝している。
同時に診断された顎関節症については医者は、「きっと力を入れて演奏したから噛み合わせがあわなかったのでしょう。スポーツ選手はそんな時はマウスピースをしますよ」と言われたのだが、ふと冷静に考えると、歯を食いしばるほど力を入れたら肩や腕が張って早い演奏はできないし、そんなことはしていないと思う。

今日はカイロプラクティックに行ってきた。
ゆがんだ背骨のバランスを戻したり、筋肉の凝りをほぐしてもらうときに通っている。
以前、肩の凝りがひどくて、その硬さによって首の血管にまで影響がでそうになったことがあった。
診てもらった脳外科の医者に、薬に頼らず筋肉の張りや凝りを治すことを勧められたときに、カイロという治療法を知った。
いつもの診療所では、首と肩の凝りが顎に影響を与えていたと言われた。
背骨のバランスもよくなかった。
重いカメラバッグを絶えず持っていることも、そしてストレスも筋肉を固くする。
くずれたバランスでランニングを続けることも、より筋肉バランスを悪くする。
そして季節の寒暖の差が追い打ちをかける。
施療後、顎の痛みは消えた。

ステロイドと筋肉の関係も聞いてみた。
東洋医学も、薬のことも、僕には知識はないが、トータルで自分の身体をチェックしていくことは大切だ。
先日ようやく退院した父だが、入院した頃には症状と体質にあう薬が決まらなく、その作用から僕の前で痙攣し、長い時間意識を失ったことがある。
命という言葉が頭をよぎった。
僕はただ医者を信じるしかない。
不確かな知識はいらないし、治療の邪魔になる。
迷わず、強く信じることしか生まれないこともあると父を観て感じた。
奇跡ではなく、想いという力。

耳鼻科の医者もカイロの先生もとても親身にケアーしてくれる。
診療後に医者にお礼を言ったら「ありがとうは、治ったら言ってくれ」と笑われた。
「かっこつけやがって…」と笑顔で応酬したくなったが、初診の患者なのでやめておいた。

今回は軽い病気だが、それでも診る人によって違った観察があることは僕にはとても興味がある。
結果、ステロイドは自分の判断で少なくしてもいいのか、やめてもいいのか?
身体と精神、あるいは筋肉とストレス、季節と人間、西洋と東洋、こんな小さな病気のなかに込められたいろいろなことを知りたい。
病気もまた学ぶことが多い。
しかし、ガムランの発表会には間に合わせたい。
演奏したいから治療法を探す。
ギリギリにはなんとかなると思っている。
逆境にも慣れている。
きっといつもより気持ちの入った演奏ができる。

しかし、ここ一年いろいろな出来事が続く。
何が起こっても、もう驚きはしない。
試練が多いということは、神様はよほど僕に期待しているのだろう(笑)
受けてたとう!




〜小話〜
「コアラッチさんのガムランは大きな音だけが取り柄ですね」と言われた音量命の僕のガムラン。
この病気って、音量の怨霊??
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え? な展開(その1)     [バリ Bali]

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すごい練習だった。
昨夜は本番さながらの迫力で女性舞踊レゴンと、バリスという戦士の踊りを演奏。
講座生以外にも上級者や先生達に支えられて本当に楽しい時間だった。
大きな音で、早く演奏するコツもようやくつかめ、今後の課題と、希望が湧いてきた日だった。

今日は耳に異変を感じ、夕方に病院へ行った。
もともと耳が弱いのかは明らかではないが、突発性難聴になったことが判明。
しばらくは大きな音のするところは避けるように言われる。
ガムランへの復帰はその後何度か検査を続けてからの医者の許可待ち。
いつになるだろうか…
今後は耳栓を付けての演奏となるだろうが、必ず復帰するつもりでいる。
講座の発表会を間近に控え、先生と仲間達に迷惑をかけることが本当に申し訳ないが、これでまたひとつ人として進歩して出直すつもりだ。

おまけだが、ちょっと張り切り過ぎたのか、顎関節症にもなっていた。
情けないやら、笑ってしまうやら、ほんとうに忙しい自分である。

迷惑をかけてしまう仲間達のためにも、写真に、人間的に、大きくなることを約束してしばしガムランの中断を報告。


ごめんなさい。





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戦士の舞い   [バリ Bali]

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昨夜、久しぶりにバリス(戦士の踊り)を演奏する。
昨年のガムラン講座の発表会でウジャン・マスという曲をやって以来のテンション。
最初はちょっと気合いが入りすぎて失敗。
じょじょに肩の力が抜けてきて身体中が楽しくなってくる。
いい汗をかく。

バリスは僕にとって特別な曲。
バリに頻繁に通っていたころは年間100日以上をこの島に滞在し、作品撮りをしていた。
朝起きるとクルマを運転し、島中を回る。
オダラン(祭り)を探し、いつどのような儀式があり、どんな奉納舞踊があるか村人に尋ねる。
その場で正装に着替えオダランに参加させてもらうこともあれば、滞在しているウブドに帰ってから夜に出直すこともあった。
いい写真が撮れることもあれば、時間と体力、そして精神力がすり減っていくだけの数日間もある。
スランプもくる。
そんな時は、撮るリズムを身体の中から沸き上がらせることが必要。

ウブドにいると毎夜ガムランが演奏される。
バリスはポピュラーな演目であり、上手な踊り手も多い。
当時お気に入りは彗星のように現れたスマラ・ラティというグループ。
デワ・ブラタの華のあるクンダン(太鼓)にあわせ、アノムというカリスマが踊る。
僕はその音を身体中にたっぷりと入れ、シャッターを押すリズムを音楽にゆだねる。
気持ちは戦士!
共に闘う!
演奏が終わったあとは、写真のスランプなことなどどこかに消えている。
バリスは僕にとって心の栄養剤であり、精神安定剤だった。

昨日は全開で演奏した。
バリで聴いていたバリスと僕とが決定的に違うこともみえてくる。
もちろん技術は蟻と恐竜が闘うほど比べ物にはならないが、叩きながら思うことがあった。
戦士は地を跳ね、躍動する。
たたくというより、音をえぐり上げるような感覚で演奏しないと、戦士はポコポコ跳ねるだけになってしまう。
地から湧き出るような、持ち上げるような音をだしたい。
そして一瞬の間に訪れるやるせない色気。
演奏しながら闇の中をアノムが踊る。

仲間達はみな上達したなとこの日も思った。
レヨンの響きがいい。
ウガルも頑張っている。
女性舞踊のレゴンはみなそれぞれに完成しつつある。
僕も頑張らないと。
各地に旅立っていった仲間達と再び演奏する日まで。。


(あっちさん、次の曲はレヨン頑張りましょうね!)





※ お知らせ ※
フォトブック大使というものをやっています。
これについてはあらためてお知らせしますが、まずはこちらで ↓
http://photobook.kitamura.jp/case/taishi.html
恥ずかしながら顔写真入りです。



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桜とバロン   [バリ Bali]

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桜の木の下でバロンが舞う!!

4月4日、代々木公園
2時30分頃
深川バロン倶楽部

豪華出演者多数 http://www.balance-web.com/harukaze/
入場無料


富岡八幡宮での夏祭りに奉納演奏、舞踊を行っているバロン倶楽部。
今年は桜の木の下でガムランを演奏。
花見をしながら、芝生に寝転びながら、日本の春を楽しみ、少しだけ気持ちを南の島に遊ばせる。




※※
火曜のみなさん、Kまんさんも踊ります。
アンセル見学にぜひ!
僕は出演しませんが、遊びに行こうかなと思ってます。


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大満足   [バリ Bali]

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〜南洋神楽プロジェクト2009公演「仙人になりたかった男」〜 を観てきた。
 http://www.beravo.com/nanyou/index.html

先日紹介した来日中のデワ・ブラタも演奏に加わる豪華出演陣。
演出に作曲、ウードに箏、ヴォイスにガムラン、そして舞踊、すべてにおいて完成度の高い作品だった。
ひとつひとつの音が空間を調和し、あらたな音と動きを呼び込む。
そして余韻を残しすぎず溶けていく。
スピードと遊び。

そしてデワ・ブラタにはいつも驚かされる。
音は点でなく、円でその音を包んでいるような音のオーラがある。
クンダン(太鼓)を叩くと、時に「チャッチャッチャッ」というような人の声のようになったり、スパッと刃物で切ったような鋭い音になったり、場面によってクンダンが変化する。
それはきっと東洋の音であり、バリや日本のように森羅万象に精霊が遊ぶ島の音。
答えはひとつだけではない遊びこそがバリなのかもしれない。
そしてこのような多様性こそ、いまの生活に、仕事に、写真に必要なことだと思った。
ふたたび会えてよかった。

デワとは来週またゆっくり飲むことができる。
演奏の合間に、楽しそうに右手の手の平をヒラヒラと振り、観衆を楽しませるのも彼の得意とするテクニック。
その極意をたっぷりと教えてもらうことにしよう。




米 写真は『オラン・バリ』に掲載した若き日のデワ。
  公演は日曜日が最終日。
  観れなかった人は9月に再来日するデワ・ブラタ率いるスダマニの公演を是非!!
  その後はアメリカ、ヨーロッパとまわる予定。
  時間とお金のある方はそちらにも。


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太陽のガムラン奏者来日!   [バリ Bali]

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奈良の天河神社からの帰路、吉野の山中をクルマで走りながらガムランのことを考えた。
清められた神社の能舞台で、静けさのなかで、どのような調べが似合うだろう。
芸能の女神弁財天にふさわしいバリの舞踊は。。

バリで観た様々な曲や楽器、奉納芸能や儀式を思い出しては、それは森の中へ消えて行った。
突然、僕の中にある仮面が浮かび上がってきた。
赤い仮面、青い仮面、緑色の仮面。
小さな仮面が少女達によって舞われている。
スカワティー村で見たトペン・レゴン。
数日後、水の音が美しいウブドゥのチャンプアン寺院の祭りでもう一度見ることができた。
天河の水とバリの水はどこか似ている。
甘い水、その香り。

僕の中で天河とバリが結びついた瞬間、20 年来の友人であり今ではバリを代表するガムラン奏者となったデワ・ブラタのことが気になった。
「何をしているのだろう?天河でならどんな演奏をするのだろう?高千穂での奉納演奏は素晴らしかった」
デワの心の音を聴きたい。

そんなことを思いながら東京に帰ると、デワと共通の友人である小谷野君からメールが来ていた。
「デワが日本に来ている」
嬉しかった!

ということでデワと小谷野君たちの公演の紹介。
ぜひ観て欲しいイベント。


以下は小谷野君からの公演の紹介をコピぺ。


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バリよりスーパーガムラングループ「スダマニ」のリーダーであるデワ・ブラタ氏も来日し、目下リハーサル中です。一緒にこのプロジェクトを進めているパーカッションの和田啓、ヴォイスの松本泰子に加え、日本最高のウード奏者常味裕司、箏の丸田美樹、ガムランの川村亘平に濱元智行、バリ舞踊の山岸天平といったおなじみの面々に加え、パフォーマーには演劇集団円より小川剛毅、そしてダンスパフォーマーのタカダアキコといった、素晴らしいアーティスト達によるコラボレーション。
今回の作品では、「アジアの新しい舞台芸能を創造する」というこのプロジェクトのテーマが結実した、「これぞ南洋神楽!」とも言える舞台をお見せできると思います。舞踊と音楽と芝居と影絵とがひとつに融合した演劇空間。
是非新しいアジアの総合芸能「南洋神楽」の世界を体感しに来てください!
皆様のご来場を心よりお待ちしております。



南洋神楽プロジェクト2009公演
「仙人になりたかった男」
http://www.beravo.com/nanyou/index.html

日程 平成22年3月18日(木)~3月21日(日)
全5回公演(開場は開演の30分前です)
3月18日(木) 19;30~
3月19日(金) 19:30~
3月20日(土) 14:00~ 19:30~
3月21日(日) 14:00~

会場  テアトルBONBON 
        東京都中野区中野3-22-8 
TEL 03-3381-8422  FAX 03-3338-8462
        http://www005.upp.so-net.ne.jp/thepocket/
mitemite@gf7.so-net.ne.jp

お問い合わせ・お申し込み 
オフィス・ティルタ
            TEL 03-5603-7858  FAX03-5603-7857 
            e-mail info@beravo.com 
URL http://www.beravo.com
料金 前売り 一般 3500円  学生 2500円 中学生以下 1500円
      当日   一般 4000円  学生 3000円 中学生以下 2000円
全席自由

構成・脚本・演出 和田啓 
美術 伊藤雅子
衣装 江木良彦
作曲 和田啓 デワ・ブラタ
振り付け 小谷野哲郎
影絵デザイン デワ・ブラタ 川村亘平
照明デザイナー 沖野隆一
照明オペレーター 野中千絵
音響 浦崎貴
舞台監督 伊藤新
制作 オフィス・ティルタ
   
杜子春/小谷野哲郎(バリ仮面舞踊)       
鉄冠子/小川剛生(演劇集団円)         
母・コロス/タカダアキコ(ダンスパフォーマー) 
父・コロス/山岸天平(バリ仮面舞踊)      

デワ・ブラタ(バリガムラン奏者)        
常味裕司(ウード)               
丸田美紀(箏)                 
松本泰子(ヴォイス)              
和田啓(パーカッション)            
川村亘平(ガムラン)              
濱元智行(ガムラン) 



http://kohara.blog.so-net.ne.jp/2008-08-19)             

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結晶   [バリ Bali]

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パッ プププンプン トゥテトゥ♪

朝から頭の中でクンダン(太鼓)の音がすると思ったら今日は火曜日。
ガムラン講座の日だった。
先週も休んだし、プガワの部分が混乱している…

昨年末にある講演にいった。
ある講師は水の結晶について、写真を見せながら、音と結晶の形について語った。
いい音楽を聴かせると結晶はとても美しくなり、怒鳴り声などを聴くせると崩れた形になっていた。
人間の身体の60%は水分と言われている。
ということは、いい音に囲まれた生活をしていると、人間の身体にある水分は美しい結晶で構成されているということである。
ガムランの波長は人間をリラックスする周波数だと分析されているし、いい音に囲まれたら身体の中から美しくなれるということ。

しかし、僕のだす音はいい音だろうか?
もし、悪環境の音だったら僕の身体の水分結晶はボロボロ。

今日の講座がこわい(笑)






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豆腐とガムラン   [バリ Bali]

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20年ほど前、初めて訪れたバリ島ウブドゥ。
観光客用のレストランはまだ少なく、夜になるとマーケットの敷地内にたくさんの屋台が並んだ。
その横にはテーブルが並べられ、ナシ・ゴレン(バリ風チャーハン)や、サテ・アヤム(焼き鳥)、ビールなどを違った店で買っては味を比べながら楽しんだ。
もちろん値段もローカルなため、地元のお兄ちゃん達も一緒に食べる。
雨が降るとテントの下で雨宿り。
いろいろなことを教えてもらった。
そして友人が増えた。

その中の一人に当時40代の存在感のあるおばちゃん(失礼、女性)がいた。
通称えんさん。
いろいろな人生経験や旅をしてきた彼女は、若い旅行者達の相談相手になっていた。
僕は日本で住んでいる家が偶然にもすぐ近くだったため、その後もみんなが集まる宴会の時には誘ってもらった。
インドネシアの歴史家や、世界を放浪した旅人、彫刻家、写真家、個性豊かな人達が多かった。

その後しばらく連絡は途絶えていたが、9年程前に久々に電話をしてみた。
驚くことに、独学で勉強して豆腐屋を開店したという。
昔からいただく料理は美味しかったのだが、プロとしての豆腐屋としてはどうだろうかという心配はあった。

しかし、食べてみてビックリ!
これほど豆腐で感動するかというくらい口の中に、じわ〜と濃厚でいて爽やかな大豆の甘みがとろけてくる。
豆乳豆腐、すくい豆腐、レアチーズ豆腐、チョコレート豆腐、マンゴー豆腐、みな絶品。
口コミで広がってか、時折テレビや雑誌、新聞でも取り上げられるようになった。

そんな豆腐屋さんが秋にレストランを開店した。
豆腐を中心とした健康食材を使って、それでいて低価格で、なるべくたくさんの人に何度も食べてもらい、健康になって欲しいというコンセプトで。

そしてもうひとつ。
ガムラン好きなおばちゃん(重ね重ね失礼)が、ここでガムラン・コンサートをしたいという要望で友人のガムラン奏者にお願いすることになった。
クリスマスにガムランと舞踊のプレゼントという趣旨。
もちろん低価格で、最高の食事と演奏。

19日はぜひ豆腐とガムランで。





『豆腐料理とガムラン☆クリスマスライブ・天へ向かって音が降る夜』

      12月19日(土)19:00開始(食事は17:30〜随時)
      @とうふカフェレストランy(わい)
       tel.042-770-8122 / 相模原市清新5-1-22
 


  演奏 Terang Bulan  (櫻田素子 渡辺泰子 田中沙織 若林康明 秋山ゆかり)
         舞踊   (荒内琴江 小泉ちづこ)
 


料金  2500円(豆腐料理、1ドリンク、チャージ含む)
    先着40名、要予約:カフェレストランy(わい)tel.042-770-8122
   (JR横浜線相模原駅またはJR相模線南橋本駅より徒歩10分ほど、
    国道16号線沿い清新交差点そば)

    http://motosbulan.exblog.jp/ 

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ワヤン [バリ Bali]

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「ワヤン・バテル」を観に行った。
バリの影絵芝居のことだが、これをバリの言葉と日本語を交えて演じるすごい人がいる。
梅田英春さん。

今回の公演は梅田さんの著書『バリ島ワヤン夢うつつ 影絵人形芝居修業記』の出版記念パーティーでもあり、2時間たっぷりと楽しませていただいた。

バリで最初にワヤンを観た時は、深夜で、言葉もわからず、ガムランの優しい響きにただただ眠くなるだけだった。
梅田さんの最初の日本語の公演を観た後の感想はワヤンってなんて面白いんだろう。
バリのガムランの、舞踊の要素がこれほど詰まった面白いものはないというのが素直な感想だった。

昨日はスクリーンの前からも、演奏者の後ろからもワヤンを楽しませてもらった。
クライマックスの戦いのシーンでは演じ手の梅田さんの後ろ姿が、まるで魔女ランダのようだった。
踊っているようであり、演奏しているようであり、これこそがバリの芸能の神髄ではないかと感じた。
僕があと10年若かったら、チャレンジしてみたかった。。





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ナシ・クニン (お祝いの黄色いごはん)


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イナズマガムラン・バクハツ! [バリ Bali]

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バリから来たゴジラが、メカゴジラやモスラ、キングギドラとトーキョーの街で暴れ回る。
イナズマが走り、黄金の雨が降り、やがて空には虹が輝く。
そんなすごいガムランと舞踊を観た。

このブログで紹介したバリ・ガムラン会の巨匠バパ・クランチャを迎えた公演「青い波」
http://kohara.blog.so-net.ne.jp/2009-10-11

音が楽しい。
音が笑っている。
このように感じたのは初めてかもしれない。

特に最終回は何かが起こりそうなくらいの盛り上がりをみせた。
ここまで作り上げ、楽しませてくれた出演者や関係者に感謝したい。

身体に音が入ることはDNAの中にある何かが目覚めてくるように思う。
喜びの記憶であり、幸せの予感。
とても楽しい2日間だった。





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※写真はこの公演とは関係ありません。
 バリで撮ったカラー写真から色を抜き、モノクロ化し、あらたに色を重ねてみました。
 デジカメのモノクロモード、セピアモードでも同じようなことが出来ます。
 
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閃光のガムランのお知らせ [バリ Bali]

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バリから稲妻ガムランの巨匠バパ・クランチャがやってくる。
出身のバリ北部ブレレン地方は、タルナ・ジャヤなど心臓がバクバクするほど刺激的なガムランを生み出したところ。
バパを迎え入れる演奏者は日本の巨匠皆川先生率いるシダカルノヤコ。
シダカルノヤコにはこのブログでもよく登場するウロツテノヤコのメンバーがガヤガヤと参加する。
成長著しいおすすめイケメン(?)のアーティスト達。
さらに櫻田素子さん鳥居誠さんという日本ガムランの精鋭達がこれに加わる。

例えはへんだが、ガムラン会のゴジラとキングギドラとモスラとメカゴジラがタッグを組んで闘うようなすごいシーンになることだろう。

踊りもすごい。
パラワキア、タルナ・ジャヤ完全版、クビャール・レゴンなどを小泉ちづこさんと 細金久美さんが熱演。

冬が来る前に、もう一度熱い夏を、バリを味わってください。





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バリ島北部のブレレン地方、シンガラジャで生まれた名作タルナ・ジャヤの完全版や
その源流クビャール・レゴンなどを、優れた音楽家でありクンダン(太鼓)の
名手クランチャ氏をバリ島より迎えて送る必見の公演。
演奏にはシダカルノヤコ+櫻田素子+鳥居誠、日本で活躍中の演奏家が参加。
全曲生演奏。東京にシンガラジャの青い波が寄せ、風が吹き荒れる


バリ舞踊公演「青い波~シンガラジャからの風」
巨匠クランチャ氏を迎えて

日  程:2009年11月7日(土)、8日(日)
昼の部 開場13時30分 開演14時
夜の部 開場17時30分 開演18時

会  場:中目黒「ウッディーシアター」

料  金: 前売り 3,500円 当日 4,000円  
1日通し券 前売り6,500円 当日7,500円

予  約:044-952-5413(チプタ・ブミ)
     090-6035-7538(細金)
     メール bluewave_singaraja@yahoo.co.jp

演  奏:シダカルノヤコ 櫻田素子 鳥居誠 イ・マデ・クランチャ

演  目:

Aプログラム 7日(土)14:00 / 8日(日)18:00
・TABUH
・ヌラヤン(漁師の踊り)小原妙子 小原眞巳 若林めぐみ
・パラワキア(君子の詠唱の踊り)細金久美
・クビャール・レゴン(若き勝利者の踊り)小泉ちづこ

Bプログラム 7日(土)18:00 / 8日(日)14:00
・TABUH
・ヌラヤン(漁師の踊り)小林里江 杉谷朋美 三浦智江
・パラワキア(君子の詠唱の踊り)小泉ちづこ
・タルナ・ジャヤ完全版(若き勝利者の踊り)細金久美

後  援:インドネシア大使館
協  賛:アムリタ食堂/ガルーダインドネシア航空/ジュンバタンメラ
バリカフェモンキーフォレスト
企  画:サラスワティ / チプタ・ブミ

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ワークショップとランチ交流会


イ・マデ・クランチャ氏来日  バリ舞踊・ガムランワークショップ&交流会
 「ブレレン式でいけ!」

日  程
10月25日(日)18:00~19:30 ガムラン@ウエストB1スタジオ
10月31日(土)18:00~19:30 舞踊(タルナジャヤ)@ウエストB1スタジオ
11月 1日(日)14:30~16:00 舞踊(タルナジャヤ)@イースト3Fスタジオ
         16:30~18:00 舞踊(タルナジャヤ)@イースト3Fスタジオ

場  所:吉祥寺スタジオアムリタ ウェスト東急裏店
                 イースト吉祥寺シアター店
料  金:¥3000/1回  ¥8000/3回通し(舞踊のみ)

お申し込み・お問合せ:スタジオアムリタ 電話0422-23-6611
http://studioamrita.com



「ランチ交流会」
ガムラン・舞踊・シンガラジャの話をたっぷり聞こう。
ブリマデ店主マデさんによる料理の説明もあり。

日程:11月3日(火・祝)12:00~14:00
場所:ブリマデ(インドネシア料理)青山
会費:3000円(ナシチャンプル+1ドリンク)
お申し込み:チプタ・ブミ 電話 044-952-5413
c-bumi@muse.dti.ne.jp


参照
http://www.kt.rim.or.jp/~maktori/gamelan/



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笑いとガムランと中華饅 [バリ Bali]

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先日、目覚めるとバロン(写真)の顔が曇っているように感じた。
未使用のタオルで顔を奇麗に拭く。
とくに目はしっかりと。
バロンの目が曇っていると、僕の心の目も濁っているように感じる。
もう大丈夫。


今日は久しぶりに生ガムランを聴きにいく。
踊り手は、道化を踊らせたらバリでもっとも人気のあるスアンダさん。
バリの芸術大学を卒業する時には学長から「あなたは面白いから卒業するな」と言われたという伝説がある。
場所は横浜中華街、連休最後の休日はぜひここへ↓
http://www.amina-co.jp/blog/silkroad/archive/49






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今夜もまたスダマニ [バリ Bali]

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昨夜もまたスダマニの日本公演に行ってきた。
リーダーのデワ・ブラタとは知り合って15年はたっている。
当時はスマラ・ラティーを立ち上げたばかりでお腹もまだでていなかった。
そしてよく遊んだ。
いま思うとその時にガムランを少しでも習っておけば、今頃はかっこよくクンダン(太鼓)などたたいていたかもしれない。
時間は無駄に過ぎていく。

天才と呼ばれる人がいる。
デワ・ブラタもまたその一人。
技術的なことは僕には解らないが、その存在が観衆を魅了し、別の世界へといざなってくれる。

お金を稼ぐカメラマンとなって24年。
その間、天才のもつ才能について考えていた。
そしてここ数年、おぼろげながらその方程式が浮かび始めてきた。

生きていると既存の常識というカビが人にはついてくる。
それはモノを見るとき、感じるときに、どこに最大多数の情報があるか探るようになる。
効率がいいものを生活や仕事に求める時期にはなおさらである。
これは無意識に自然界の情報を遮断する。
ある人には心に響く音も聞こえなかったり、多くの視覚的情報もただ網膜の上を流れていく。

仕事柄、天才と呼ばれる人達やその作品と時代を超えて知り合うことが多々ある。
また、そんな出会いをもとめてこの世界に飛び込んだとも言える。

「努力でつくられた天才」という言葉を聞くことがある。
僕流の方程式でいえば、「努力=興味+行動力」ということに置き換えられる。
興味があれば求める。
求めれば、既存の常識を破る潜在的な感性が目覚めてくる。
目覚めれば、行動する。
行動は、継続へと変わる。
継続は、結果へと導く。

才能というものは人それぞれに違う。
しかしないことを知るゆえに、それをカバーする方法を考える。
トータルでの人間力の構成。
結果、ないものから、あたらしいプラスのエネルギーが生まれてくる。
それをその人の持つ表現手段で表していく。

天才は作れる。
それにはまず自分なりの方程式を見つけることだと思う。
それは意外と単純なことかもしれない。
人間という存在が自然界が創造した天才的発明でもあることからも証明できる。

今日また人間力あふれる天才に会いに行く。





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最初で最後 [バリ Bali]

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富岡八幡宮での深川バロン倶楽部の奉納演奏、舞踊は無事終了。
今年は久しぶりに雨の心配がなく、準備も順調に進み、気持ちよく演奏へと突入。

まずは、ブレガンジュールという楽器を演奏しながらの曲で境内に入場。
「コアラッチ!」と、突然客席から声がかかる。
友人の呼び声に応えようとして、あやうく音を外しそうになる。
カメラのストロボが光る。
いつもとは反対の立場に、ちょっと気分がよくなる。
でも撮られているのは女の子達だろうな。
どうせ撮るなら気合い入れて撮ってくれよと無用なおせっかい心が湧いてくる。
かわってオレが撮ろうか?
意外といい腕してるんだぜ。。なんて思う(笑)

入場行進も今年はアクシデントもなく終る。
楽器の位置について態勢を整える。
なかなかいい感じ。
目をあげると、すぐ前にはガムランを習っている音工場の先輩達が座っていた。
「やばい! 見られてる」
とりあえず笑顔を返す。
どうせヘタなんだから気取らず、じっくり見てもらおうと逆にリラックス。
そして、今日は演奏で緊張する余裕はない。
後でもっと大変なことが待っている。
ところでみきちゃんはどこで見ているのだろう。
たぶん何か食べながらいるのだろうと、去年の奉納のことを思い出す。
僕にはダイエットの季節だった。

最初は優しいメロディーの器楽曲。
そして次は神様へ奉納する女性達の優雅な舞い。
境内いっぱいに広がったお客さんに音が吸われるのか意外に音が伸びない。
いつもより大きな音で鍵盤をたたく。
乱暴な音にならないように細心の注意。
大きく、優しく。
そしてまた一曲、なかなかいい感じで奉納はすすむはずだったが、カジャールというその時演奏していた楽器がだんだん前に傾いていく。
演奏は境内の道路の上にじゅうたんをひいて作った簡易ステージ。
道路の段から楽器が落ちていく。
最初は足で支えたり治していたけど、突然ガタッと傾いた。
しょうがないので、一音とばして、引っ張り上げて場所をずらす。
演奏中のハプニングにもだんだんと慣れてきた。
次は何が起こるだろう。




そして、いよいよ、僕にとっての今年のメインへと時はすすんでいく。



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ブタのバロン ↑

今年はこれに挑戦!
しかも一度の練習もなく演奏とあわせる。
前足はバリ人の舞踊家、コマンさん。
僕は後ろ足。
一般に有名な獅子のバロン(Barong Ket)の重さは100キロもあるものがあるが、このブタのバロンは胴体は布で覆われているだけの軽いもの。
平気じゃん!
と思っているとこの布が命取り。
後ろ足は前足を見ながら歩行や踊りをするのだけど、布が巻き付いて前が見えない。
時おり手で払っては踊るのだけど、すぐに巻き付いてしまう。
視界ゼロ。
おまけに空気が廻ってこないので、酸欠状態。
う! 倒れる。

さらには、お尻にかかる布が短かいので、ユーモラスに腰を振るときに足をかがめなければ踊れない。
ということは、絶えずスクワット状態。
毎日ランニングをしているのに、股が痙攣してくる。
ヒクヒクッと内側の筋肉が揺れる。
途中、倒れないかマジメに心配する。
ユーモラスの動きを期待されることがこれほど大変なことだとは思わなかった。
途中、観衆の笑い声が聞こえた時は泣きたいほど嬉しかった。

時に前足が見える状態でステップを踏むことがあった。
むかしバリでバロンをちょっとだけ習ったことを思い出す。
ちょっといい感じ。
「お! 足が揃ってるよ!」という客席からの声が聞こえる。
その声はつかちゃん?
ということは、となりはみきちゃん?
きっともう食べ終わったんだろうな。
などと一瞬、頭の中がのどかになっていく。

前足がまた突然勢いよくすすみだす。
演奏の音が近くなる。
たしかこのへんにはミカンコマンさんか、ゆり子がスリンを吹いていたなと思い出す。
とするといま僕の足の横にいるのはくみちゃん?
しかし、息が、く・る・し・い・



貴重な経験はまだあった。
踊る前には、バロンとブタのバロンの二体は神社の本殿に置かれ、ここで精神を集中し、バロンという神様の中に入っていく。
八幡様に守られ、バロンの中へと入っていく踊り手達に囲まれ、最上級の集中力を身につける。
これは今後の仕事にも生きてくる。
自分を忘れ、音と、観衆と、大きなエネルギーの中に身をゆだねる。
「僕のことはおまかせします」
そんな境地だった。
すべてが終ったあとの打ち上げのビールは美味しかったが、ここでようやく人に返ることができるような気がした。
大好きな仲間達に囲まれて、少しずつ人としての自分の感覚が戻ってくる。
奉納の意味がまた少し理解できてきたようだ。

でも、これが最初で最後。






バロン倶楽部のみなさん、ガムラン仲間達、見に来てくれた人達、そして富岡さん、貴重な経験をありがとうございました。








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今夜もスダマニ [バリ Bali]

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ガムラングループ、ウロツテノヤ子のメンバー、コーヘー君の近所のお祭りに来日中のスダマニが奉納演奏。
残念ながら雨が降ってしまって、予定された場所ではなかったけど、雨上がりの道端でとても気持ちのいい演奏が楽しめた。
この浄めの雨と、演奏で明日からの九州がいい旅になりそうな予感。
明日は5時起き。
もう寝ることにしよう。


上の写真。
踊っているのは、なんと、太陽のガムラン奏者デワ・ブラタ。



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スダマニ、日本公演のお知らせ。
http://cudamani.jugem.jp/



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バロン倶楽部 奉納演奏!    [バリ Bali]

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バロンが日本の神様に舞います。
激しくも、甘い、ガムランが境内に響きます。
日本の夏に、南からの郷愁。




8月15日  
富岡八幡宮 (門前仲町)
20時より   入場無料






おまちしています。





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